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2005年01月24日
某業界の話
某業界の話なのですが...。
現在、ある業種で使われる業務ソフトを特定の一業務ソフトに絞り、業界団体として会員企業に利用を推奨して行こうという動きがあります。
その理由は、より良いソフトを低価格で利用したい、という事のようです。つまり、団体会員企業に大量導入する代わりに、市場価格の6割、7割引きで市販のソフトを購入し利用出来るだろうという計算かと思われます。
具体的な事を批判や反対するつもりはまったく無いのですが、しかし、ここには考慮すべき問題があります。
結論から言うと、この動きは中長期的に見てソフトを利用する消費者の利益に結びつかないのではないか、という事です。
特定のソフトが、その市場を独占に近い形で広まった場合、そのソフトは市場原理の競争にさらされません。そうなると、その業務ソフトは、より良い機能や新しい機能を追加する必要がなくなってしまいます。さらに価格も市場価格を意識する必要もなくなり、最終的に値段の設定もベンダーの意のままとなります。
ソフトの販売価格を、市場の原理を無視した低価格の設定にすることにより、ソフトベンダーは長期的な利益を得るために別の方法で収入を考えなくてはなりません。つまり売り切りで一時的に収入は入りますが、独占に達した段階で売り上げはパタッと止まります。ベンダーは継続してやっていくために、例えばサブスクリプション形式、つまり、ソフトの利用料を徴収しなければなりません。
業界がやろうとしているのは、まさにこれです。これは、いわゆる「ひも付き」です。業務ソフトですから簡単には他のソフトに乗り換えるのが難しいわけですから、5年も使えば、月々の利用料は相当なものになります。結局利用者は、市場価格で買うよりも高額な買い物をする事になります。しかも独占状態で他のソフトが蹴散らされた結果、利用者は選択の自由もなくなります。そのソフトを使い続けるしかなくなるのです。
価格だけではなく、市場を破壊してしまう事によって、その業界のソフトの発展も改良も進歩もなくなるわけで、結果として利用者の不利益となります。
では、なにをすべきか。
自由競争を促進し市場の原理にゆだねる事です。具体的にどうすれば自由競争を促進できるのか。
それは、情報をオープンにする事です。
業界団体として、良い業務ソフトの基準を設け、各種ソフトを集約し、評価し、それを一般に公開し情報を提供していく事などが考えられます(例えば価格.comのように)。 どのソフトを使うかは市場の原理、ニーズに任せ、より市場を活性化させる事を目指すのが良いと思います。
なぜかというと、なぜ独占禁止法が存在するのか、という理由と同じです。
ITの世界では常識なので、これをお読みになった一部の方は、「何を今さら」と思う方もいらっしゃるかもしれません。マイクロソフト対米司法省、日本の公正取引委員会の件、他にも、独占的ファイルフォーマット、ファイルシステム、ブラウザー戦争、Windowsに音楽プレーヤーをバンドルさせた件の裁判...ETC
そして、その結果こうむったさまざまの不利益をユーザとして実際に体験しています。
しかし、他業界に身を置くと中々気がつきにくい事なのかもしれません。また当事者であると見えにくい事も外部から見ると別の視点が見えるだけかもしれません。
という事で、第三者的立場として、一傍観者として、全体の利益を考え、一応私個人の意見を述べさせていただきました。(関係者の方たちへ^^;)
投稿者 BlogWrite担当 : 2005年01月24日 22:59
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