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2005年04月02日
P2P Feed clientに関する考察
DecentralizedなP2P のネットワーク上にRSSやAtomその他の情報が流れ、クライアントは"Subscribe"しているRSS・Atomによる情報をリアルタイムに閲覧する。
P2Pを利用したリアルタイムRSS・Atomクライアント。
既存の概念や技術を揺るがすような、ソフトウェア技術のパラダイムシフトは従来から多くが個人やISVによってなされてきた。特にP2Pに代表される技術においては全米を席巻したNapsterから始り、Kazaa、Gnutella、Freenet、Winny、Groksterと様々なソフトウェアが大学生や個人により開発され、最近ではSkypeに代表される音声通話の実現に多大な貢献をしている。
P2Pネットワークにおいては、central serverを介するP2Pと、decentralizedされたPure P2Pとがある。過去の例から学ぶのであれば、大規模な汎用的P2Pネットワークを構成する要件に適するのは、後者のPure P2Pの技術である。前者のP2Pネットワーク型は管理と開発の容易さから既にIM(インスタントメッセージ)等で広く使われてきた所であるが、その設計上の理由故に、中央サーバーの管理の問題とネットワークの権利の問題が発生する。例えば、MSN、またはYahoo!のIMをシャットダウンするのは、MicrosoftまたはYahoo!の胸一存である(*1)。
ここでは、このPure P2Pネットワークを利用した情報の流通を少し考えてみる。現在のRSS・Atomリーダーは古くからのHTTPのGETリクエストをそれぞれのFeedに対し行ない、RSS・Atom形式の"ファイル"を"ダウンロード"してきた。P2Pのネットワークにおいては、"データ"は"ストリーム"として流れてくる。
現在のRSS・Atom流通に当てはめて考えると、ここで幾つか疑問が湧いてくる。
- RSS・Atomによる情報はどのようにしてネットワークに公開されるのか。
- クライアントはどのように求めるFeedを"Subscribe"するのか。
現在すでに、テクノラティやBloglines、FeedBack、Bulkfeedsといった大規模なRSS・Atomアグリゲーションサーバーが存在している。今の用途は主にキーワードによる検索だが、Update Pingによる通知や独自にアグリゲートして集められたRSS・Atomを逐次このP2Pネットワークに配信していく(*2)。それと同時に個別にこのP2PネットワークにJoinして配信する事も可能にする。
クライアントは今の方法と同じく、サイト上におかれたRSS・XML・Atomを登録し、そのURI及びFeedに関連付けられたIDを取得する。このID及びURIによる識別を利用しP2Pネットワークにより流れてくるデータから登録されたFeedのデータのみ取得する。
RSS・Atom配信者にとっては、既存の確立された方式を一切変更する事なく、中間のディストリビューション層のみ、P2Pにより置き換えることにより、全体として移行が容易、かつスケーラビリティ、スピードが劇的に改善される。
結果的にP2Pの利点である双方向性も活かし自ら情報をP2Pネットワークに配信する事も可能となる。
さらに、RSSやAtom形式のデータだけでなく、同じような他のXMLで標準化されたデータも流通させることにより、様々な"特定"用途に用いる事が可能となる。WWWから独立した新たなプラットフォームとなる可能性も秘めている(*3)。
この方式の欠点は、ソフトウェアを開発する上で、開発者だけでなくユーザも古くから馴染んできた枯れたHTTPという技術ではなく、普段使わないより高度な技術を採用しなければならない、という事にある。そのため、P2Pを利用したソフトウェアの開発は現状ではコストがかかる。HTTPの利用であれば、開発者は様々なツールやコンポーネントを利用し開発を行なう事も出来た。しかし新しい技術ではそれらの資産を利用する事は出来ず、P2Pのネットワークに関わる開発ではTCP・IPレベルの知識が要求されるだろう。しかしながら、より多く使われるほどより使われる技術はカプセル化、コンポーネント化され、開発者の負担も軽減するのは(インターネットの歴史を見ても)明らかである。
では、今P2Pによるネットワークに移行すべきなのか。これは重要な質問である。ここで提示しているモデルでは、どちらか一方の方法を選択しなければならないのではなく、クライアントはP2P経由でも情報を取得できるだけでなく、HTTP経由のGETでいままで通り直接取得することでも同じ結果が得られる、という前提は一応確認しておく。ただ、曲がりなりにも既存のHTTP GETで出来てしまう事をなぜわざわざP2Pで行なわなければならないのか、という疑問に対する決定的な答えが出ない限り、P2Pによる流通へは移行しないかもしれない。しかしながら、いつ「その時」が来るか分からないのが、このインターネットの世界の醍醐味でもある。
(*1)JabberというXMLベースのオープンなプロトコルがあるが、Pure P2Pでは無い。
(*2)この方式によるビジネスモデルとしては未知数だが、現在の負荷増大に対処するためのコストは、P2Pネットワークの利用により激減するはず。
(*3)ただし、現状ではコンテンツ流通のプラットフォームとしてではなく、コンテンツに関するメタデータの流通を目指す方が各方面の抵抗が少ないだろう。
投稿者 BlogWrite担当 : 2005年04月02日 11:57
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